今回は、「sky 星を紡ぐ子どもたち」のストーリーの考察とネタバレについてお伝えしていきたいと思います。
ストーリーの考察とネタバレについて
まず最初に、ストーリーの考察についてお伝えしていきたいと思います。
ストーリーの考察。各エリアの星座たち。
この「sky 星を紡ぐ子どもたち」のプレイを始めていくと、最初のホーム画面に行くまでにストーリーが流れ始めます。
神代の時代 銀河の煌めきは永遠を約束されていた
その日 過ちを犯した星々は空を追われた
落日の祖先たちは 地上に自らの王国を築こうとした
だがその試みも 長くは続かなかった…
数えきれぬ年月を経て 我らは使命の子らをここに迎える
汝よ度立て 彷徨え市域を句を紡ぎ 彼らを天へと帰すのだ
このストーリーから考えるに、今から遠い大昔に永遠にあろうとされていた精霊の世界が、過ちを犯してしまった事で亡くなってしまい、精霊の祖先たちは地上に来て世界を創ろうとした。
しかし、その世界も長くは続かずなくなってしまう。
そして今星の子(プレイヤー)が地上に築いた世界の跡を巡って精霊の祖先の記憶を紡いで、もとの空の世界へと精霊を帰しに行くというストーリーではないか。
この世界では、「孤島」「草原」「雨林」「峡谷」「捨てられた地」「書庫」の6エリアがあるが、その各エリアに精霊が存在していて、それぞれの精霊の記憶を取り戻す事でその精霊が青い光となって空に向かっていきますが、おそらくこれが「空に帰す」ということになるのでしょう。
エリアを進めていき、最後の書庫エリアでは、各エリアの星座が現れ、その星座が壁画になります。
〈2階 孤島の星座〉
〈3階 草原の星座〉
〈4階 雨林の星座〉
〈5階 峡谷の星座〉
〈6階 捨てられた地の星座〉
そして最上階で書庫までの星座が集まります
ちなみに書庫の星座はこの形になります
そしてこのそれぞれの星座が壁画になるわけですが…
〈孤島の星座〉
〈草原の星座〉
〈雨林の星座〉
〈峡谷の星座〉
〈捨てられた地の星座〉
〈書庫の星座〉
そして最後に冠の星座が現れ
精霊たちが祈りを捧げている壁画になります
それぞれの星座が各エリアの精霊の様子を物語っていて、最後の王冠の星座では空の世界を象徴しているのでないかと思われます。
この書庫エリアをクリアすると次に暴風域のエリアになり、今度は星の子たちを救っていきます。
ネタバレについて。暴風域エリア・原罪エリア・ゲームクリアまで。
星の子のようなものがいます。
感想
Sky 星を紡ぐ子供たちのストーリーと制作者の意図について
ゲームをプレイした方ならお気付きだと思いますが、このゲームはストーリーやゲームの背景がなかなか分かりにくいと思います。
恐らく、このゲームには神話を題材にしたようなストーリーが含まれているためだと思います。
ここでは宗教的な角度からストーリーを読み解いてみます。
ゲーム内に登場する宗教と関係があると思われるもの
まず、ゲーム内の重要なアイテムとなる「火」に着目してみます。
ゲーム内では神殿のような場所で火を灯したり、親友や精霊と火を贈り合うことで絆をふかめることがます。火をともして礼拝する様子。(草原にて)
世界に火を扱う宗教は多くありますが、火を信仰の対象とした宗教があります。
世界最古の宗教といわれるゾルアスター教は神の光や知識を象徴していると炎に礼拝を行います。
キリスト教で言うとこのイエス像、仏教で言うところの仏などの礼拝像がゾルアスター教では火にあたります。
ゲーム内で火の前に正座をし祈りを捧げているシーンは多々ありましたが、これだけでゾルアスター教との関係があると考えたわけではありません。
主人公や精霊たちは必ずマントの様な翼を持っており、この翼のレベルをあげていくことで飛行高度や飛行距離を伸ばすことができます。すべての登場人物がもつ「翼」。
この翼を広げたときのシルエットがゾルアスター教の最高神アフラ・マズダーの肖像と酷似しています。
ここまでこのゲーム内に登場するゾルアスター教に関係のあるものを取り上げましたが他にも宗教と関係の深いものがいくつか見られます。
まず、「草原」のステージでみられる礼拝所はチベット仏教の礼拝所を参考にしていると考えられます。チベット仏教の寺院のような礼拝堂。
チベット仏教の総本山??
インターネットでチベット仏教の寺院を検索するとかなり酷似していることがわかります。
さらに子供たちが星を空に帰すことで星座を作っていますが、星座といえばギリシャ神話が代表的です。
数々の儀式をこなすことで星座は完成させる。
洞窟内に描かれた夜空に礼拝する人たち。
ただ、星座に関しては古代ギリシャで作られた星座はかなりの量があること、さらには星座を作っていたのはギリシャだけではなかったため、ゲーム内に出てきた星座が実際にあるかどうかは特定できませんでした。
精霊のなかには髭を生やした体格のいい男性がいますがイエスキリストに見えなくもないと思います。
ただ、外形だけでイエスキリストだと判断することはできないので保留にしておきます。
次にチベット仏教の様な礼拝所へと導いてくれるマンタがいます。
光のマンタ。マンタ(オニイトマキエイ)にあまり似ていない。
マンタ自体は特に神の使いであるなどということはないのですが、南国の島では幸運を運ぶウミガメの様に特別な扱いがされているようです。
島国特有の自然崇拝のような宗教に関する資料は少ないですが、現在でもダイバーなどの間では神秘的な動物として特有扱いされているようです。
そして日本人なら誰でも知っているものもありました。
「雨林」のステージは草原とはことなり薄暗い森を探索するステージです。
「草原」とは雰囲気が全く違う「雨林」のステージ。
途中、大きな扉の閉まった門に行き当たるのですが、この門は手前にある点火台に順番に火を付けていくと開きます。
巨大な塀と門。ここでもマンタがみられる。
この点火台、どう見ても灯籠に見えると思います。
灯籠。ここだけ見ると急に和風のゲームにみえてしまう。
灯籠の配置も道に対して線対称に並べられています。灯籠は日本の神道、仏教のどちらにとっても重要な役割をしています。
制作会社「thatgamecompany」がこのゲームに託した思い
最後に、このゲームになぜこれだけの宗教関連のものが出てくるのかを調べて見ました。
このゲームの制作は「thatgamecompany」というアメリカに拠点を置く会社です。
製作者はゲームを通して、プレイヤーにヒーリング効果を与え、プレイヤー自信が自問自答をしより良い人生に繋げて欲しいという狙いがあるようです。
おそらく自分を見つめ直せるような空間を作るには宗教的な施設がうってつけであり、多種多様な宗教を用意することでプレイヤーの国と関わりの深い宗教に必ず出会えるようになっているのだと考察しました。
「thatgamecompany」の設立者は一時期、ガンの疑いがあり死に関してとても意識した時期があったようで、その出来事がヒントとなり、ゲームにいかしていると述べています。
最後に
感想として、このゲームのストーリーは非常に分かりにくいですが製作者の意図を考えると、あまり深く考えずにこのゲームの世界観を楽しむのが一番かもしれません。
特に誰かとレベルを競ったりするゲームではないので普段やっているゲームにマンネリを感じた方にはいいかもしれません。